当研究室の雰囲気を顕著に伝える特徴として、
(1) 文書作成には TeX しか使わない。
(2) OS は Linux しか使わない。
といったことがあげられます。その背景にある根本的な思想は、仕組みの明
--- 科学のみが寄与できる事柄とは、経験的実在(そのもの)でもなければ、
皆さんこんにちは。こちらは大阪大学大学院経済学研究科浦井研究室です。
当研究室は数理経済学・一般均衡理論をその研究の基礎に据え、経済学理論
一般をより深く、確かで、斬新な見地から切り開くことを目ざしています。
らかでないものを研究には使わない、というかたくなな精神であり、同時に
いかなる権威・標準にも屈しないという学問上の決意でもあります。
一般均衡理論・ゲーム理論・社会選択理論・等、経済学理論の骨格を形成する
純粋理論分野を中心に、ミクロ・マクロを問わず、時には数学の哲学を、時に
は時事問題に至るまで、哲学的、思想的、社会学的広がりを持って、自由かつ
総合的におこなわれる「社会に関する学問」追求の場、それが浦井研究室です。
当研究室では経済学の研究・討論が昼夜を問わず活発に行われておりますが、
その主たる関心は「数理に基づく社会認識」という今日の経済学理論のあり方
そのものに対してまで及ぶものであり、既存の経済学という枠組に決してとら
われることのない、自由な問題意識と、各人の知というものに対する深いこだ
わりが限りなく尊重されます。
このような自由が保証されている理由、それは唯一つ、浦井研究室の専門分野
が数理経済学であるから
です。
我々は、理論家たることを欲し、論理的であることを常に尊重しますが、同時
に、いかなる経済理論も信奉しないと
いう性格を持ちます。また、自分で証明
することのできない数学定理を用いることを潔しとせず、他人の手によって行
われた証明に対しては必ず疑ってかかりますが、かといって自分の議論に対し
て他人以上の信頼を置くということも良しとしません。どちらかというと集合
論に対する信頼度が高く、論理そのものへの信頼度を、時には超えている事も
あります。(最後のは、やや一部意見かもしれません。)社会科学に、真理と
いうべきものが仮に存在するならば、それは必ず我々の中心的なテーマです。
--- 我々の仕事は、不動点の存在を証明すること、そしてその性質を調べる
ことである。 --- (Saul A. Kripke)
経験的実在の模写でもなく、ただ経験的実在を思考により妥当な仕方で秩序
づける、概念と判断である。--- (Max Weber)