経済数学2020年度春夏学期

新型コロナウイルス対策として、2020年度の大学院「経済数学」の講義進行
にあたり、当面(少なくとも4月中)当該 BBS を用いての情報のやりとり、資料の
配布等を行いたいと思っています。

大学のCLE等、各方向からこちらにリンクを貼ります。

情報は当該スレッドに集中するつもりです。準備が整い次第こちらに情報をアップ
していきますので、どうぞ宜しくお願いします。

浦井 憲 2020/04/03(Fri) 14:05 No.282
2020年4月14日第一回講義
GW明けまでは、教科書『経済学のための数学入門』(神谷・浦井:東京大学出版会)
の第一章を精読するように。5月の第二火曜日(5月12日)以降については、必要
に応じて、課題を追加していくので、当該スレッドの情報に注意せよ。

『経済学のための数学入門』第一章の精読にあたっては、以下の点に注意すること:

(1)集合論の背後にある「論理(一階の述語論理)」については、当該教科書では
十全に扱われてはいない。教科書にある「有限の立場」というものが、それを十全に
取り扱うための基礎となる考え方であることを理解できるようになれば、十分である。

(2)公理的集合論については、全ての公理を暗記したりする必要は無い。しかし、
事実上「きちんとした」数学を用いるためには、どのような公理を意識しておらねば
ならないか(例えば分出公理について)ということには、注意して読み進める必要が
ある。

(3)定理 1.3.3 (Cantor-Bernstein)について、内容は大事だが、もし余力が無け
れば証明を厳密に追う必要は(長いので)無い。

後は極めて重要な事柄ばかりなので、p.52 まで、練習問題も含めて、熟読し、演習を
重ねること。
浦井 憲 2020/04/13(Mon) 22:10 No.298
経済数学2020年度春学期4月21日(資料追加)
教科書第1章の完全な代替物にはならないが、その内容を簡単に展望するものとして、ここに追加
資料を添付する。これは、2004年度に大学院応用コースのコア『経済学基礎』の資料として用いた
ものである。

http://math.econ.osaka-u.ac.jp/keijiban.html

からも入手可能である。

当該資料の第3節の内容は、経済数学の春学期における講義内容を補足するものとして最適である。
教科書第一章の精読に合わせて読むことを進める。またどうしても教科書が手に入らない場合にも、
こちらの内容だけはきちんとフォローしておくこと。


この資料に付け加えて、以下に「一階の述語論理」の詳細を記す。当該資料のみならず、教科書で
もこれは省略されているが、この内容を資料の内容に付け加えれば、一階の述語論理は厳密に習得
したことになる。

以下、A,B,C は一般的に、一階の述語論理における論理式を表している。


<推論規則> 一階の述語論理の推論規則は、以下の2つに整理できる。

(三段論法) A → B と A から、B を推論する。

(例示) A → B ということから、(∃x, A) → B を推論する。ただしここで x は B の自由変数ではないものとする。

三段論法については、何の解説も要らないであろう。例示については、一度じっくりと考えて
みることをお勧めする。(ヒント:変数 x が何であろうと A → B が真であるというのが、
この場合の前提となるであろう。B が自由変数 x を含まないとすれば、B の真偽は x の値
に依存しないことになるが、とすれば、A を成立させるような x の値に対して、B の真偽は
どのようなものであると推測されるか。)


<命題に関する公理> 一階の述語論理において、命題に関する公理は以下の3つの形のものに整理できる。

● A → (B → A)

● (A → (B → C)) → ((A → B) → (A → C))

● (not A → B) → ((not A → not B) → A)


暗記する必要は無い。最初のものは A → A みたいなものである。二番目のものは、→ に
ついての分配規則のようなものと思えば、理解しやすいであろう。また三番目は背理法と
考えれば良い。

(参考:Urai (2010), Fixed Points and Economic Equilibria, Chapter 9.)

[添付]: 413580 bytes

浦井 憲 2020/04/20(Mon) 23:20 Home No.308
GW 後の当該講義の予定
GWが終わりましたが、引き続き新型コロナ感染症に向けての非常事態宣言下にあります。
当面の措置として、本講義は5月末までは、4月中と同様に当該スレッドにて講義内容と
資料をアップロードし、課題を提供する形で進めることにします。

5月末になっても、対面での講義の再会が見込めない場合、6月の第一回(6月2日)
からは、講義時間内における講義内容の Zoom でのライブ配信を並行的に追加します。
引き続き本スレッドにて、週に一度は、情報をチェックして下さるようお願いします。
浦井 憲 2020/05/10(Sun) 14:09 No.354
2020年5月12日『経済数学』第一回レポート課題
教科書として指定した神谷・浦井『経済学のための数学入門』の p.48-p.52 をアップします。
当該箇所は、先にGWまでに熟読すべきと言った課題の中に入っていますが、その中でも、
技術的に重要な箇所として特に強調して、今回の課題とします。ここにある内容は集合算と
して、経済学理論でも数学的に厳密な議論を行う上でありとあらゆる場合に出現するものです。
履修者はこの5ページについては、以下のことに注意して、特に慎重に読み進めて下さい。


 (1)無限個の集合(添字付きで良いので)の union あるいは intersection に属するとは、論理式で言い換えると、どういうことか。特に定理1.5ド・モルガンの公式の証明をきちんとフォローして(自分一人でできるようにして)確認すること。

 (2)二つの集合が等しい、ということをどのように証明するか。等式の、「左辺に属するならば右辺にも属する」、「右辺に属するならば左辺にも属する」という作業を、実際に自分の手で行ってみること。特に定理1.5の後の注をしっかり読んで、その内容を確認すること。

 (3)集合の関数による像(逆像)に属するとは、論理式で言い換えると、どういうことか。特に式 1.5 から 1.10 の成立をきちんと証明する練習問題1.3.1を自分できちんと解いて、そのことを確認すること。


上の (3) で述べた練習問題1.3.1については、成績判断の材料となる最初の課題レポート
とする。A4用紙で、表紙には学籍番号と氏名を忘れないように。提出方法は追って指定
するので、いつでも提出できるよう、5月末までに準備しておくように。

[添付]: 689648 bytes

浦井 憲 2020/05/10(Sun) 23:12 No.355
経済数学6月以降の講義形式について
大学の方針として今年度の春夏学期はオンラインでの授業とすることが決まったようなので、
本講義の進め方については、6月以降 Zoom によるライブ配信を加える形で進展することが
ほぼ決定です。最初は6月2日からになります。詳細については5月中にこの掲示板ならび
にメールでお知らせする予定です。

ライブ配信では教科書(神谷・浦井)を用いますので、Zoom による参加環境と合わせて準備
をお願いします。教科書以外の参考資料は、これまでと同様、ここにアップします。

引き続き、5月中はここまでに出した課題をきちんと消化して下さい。
浦井 憲 2020/05/20(Wed) 04:17 No.377
6月からの zoom での講義形式その他について
昨日メールでお知らせしたところですが、6月2日(火)からの講義は zoom でのライブ配信を利用
する形で行います。

フルに90分のライブ授業ということではなく、時間は 3:30 から 1 時間弱で、内容としては教材を
用いた課題の提供を、それとミックスする形でと考えています。

Zoom の ID およびパスワードについてはセキュリティー上ここには書きませんので、メールでお伝え
したところのものを、以後きちんと管理保管しておいて下さい。(CLE でも ID および Password
の情報については確認できるようにしてあります。)

5月末を一応期限とした第一回目のレポートの提出方法については、CLE のコンテンツにして提出し
て頂くことを考えていますが、詳細についてはもう少しお待ち下さい。情報は可能な限りこの BBS
でまとめておきたいので、決定次第、この掲示板でお伝えします。
浦井 憲 2020/05/28(Thu) 02:01 No.392
経済数学第一回目レポート提出方法について
第一回目のレポートは、PDF ファイル等にして、CLE で提出して頂くことにしました。CLE で
コンテンツの課題をチェックして下さい。

期限はとりあえず6月の第二火曜日までにしてありますが、5月の課題ですので、できるだけ
早めにアップロードして下さるよう、お願いします。

なお、引き続き、講義についての情報発信は、こちらの BBS を中心として行います。
浦井 憲 2020/05/29(Fri) 15:20 No.397
6月2日 Zoom 講義板書
Zoom での講義時の板書をアップします。板書の日付が間違っていて6月1日になっています。
講義時の案内に沿って、適宜復習をお願いします。

浦井 憲 2020/06/05(Fri) 14:29 No.409
6月9日 Zoom 講義板書
本日の板書をアップします。

一点、講義で確認し忘れましたが、本日が最初のレポート(5月中課題)の提出期限です。 (← 誤情報でした。次の投稿をご覧下さい。)

CLE での提出になっています。まだの方は、今日中に提出、よろしくお願いします。

浦井 憲 2020/06/09(Tue) 16:30 No.420
【訂正】5月レポートの提出期限は16日です
先の投稿で、先日が5月レポートの提出期限と書きましたが、CLE にあるように、余裕を見て6月16日と
していたようです。そちらが正しいですので、まだ間に合いますので、皆さん提出して下さい。

なお、期限が過ぎても受け付けますが、6月16日を過ぎると、遅れて提出ということで点数を考えます。
浦井 憲 2020/06/12(Fri) 18:12 No.430
6月16日講義板書
本日の板書をアップします。
浦井 憲 2020/06/16(Tue) 16:37 No.432
6月23日板書
遅くなりましたが、6月23日講義の板書をアップします。
浦井 憲 2020/06/27(Sat) 14:27 No.462
6月30日の板書 1/2
教科書内容および6月度課題の入った板書1枚目です。
浦井 憲 2020/06/30(Tue) 16:30 No.467
6月30日の板書 2/2
一般位相の話について、板書2枚目です。
浦井 憲 2020/06/30(Tue) 16:36 No.468
7月7日講義板書 1/2
教科書内容(ベクトル空間)の板書です。
浦井 憲 2020/07/08(Wed) 16:16 No.482
7月7日講義板書 2/2
講義板書の2枚目(一般位相:位相と点列の収束)です。
浦井 憲 2020/07/08(Wed) 16:19 No.483
7月14日講義板書
遅くなりましたが、講義板書をアップします。
浦井 憲 2020/07/21(Tue) 16:25 No.502
7月21日講義板書
講義板書1です。
浦井 憲 2020/07/21(Tue) 16:41 No.504
7月21日講義板書その2
講義板書その2になります。
浦井 憲 2020/07/21(Tue) 16:45 No.505
7/28 板書1
最終回、7/28 の板書1です。
浦井 憲 2020/07/31(Fri) 19:21 No.522
7/28 板書2 および期末テストの準備お知らせ
7/28 の板書2です。

講義でもお知らせした通りですが、CLEでの期末テストの準備ができています。期限は
8/11までということで、設定してあります。

資料、教科書は自由に用いても構いませんが、必ず一人
で考えて下さい。友達と相談
して解答すること、期間中に友達に答を教えるといった行為は、不正とみなします。

なお、第一回、第二回のレポートを提出していない方は、試験を受けられません。

以上、宜しくよろしくお願いします。

浦井 憲 2020/07/31(Fri) 19:26 No.523
期末テストお疲れ様でした
期末テスト、お疲れ様でした。選択問題の正解は、1,1,1,3 でした。正答率があまり高くなかったので、
どうも問題を難しくしすぎたようです。2度のレポートの内容を勘案して、最終的な成績をつけます。

4問とも正解した方はおられませんでした。3問正解は7名おられました。

最初の問題は、位相の定義のつもりだったのですが、問題としては「A ならば B」というときの、A が
真でない場合の話になってしまっていました。失敗です。

第二問は、距離から導かれる位相の定義の問題でした。これはともかく大事なので、きちんと押さえて
おいて下さい。

第三問は、連続関数の定義にまつわる問題でしたが、これも定義というよりは、逆写像の集合算の問題
になってしまっていました。すみません。 大事なのはむしろ、連続関数の定義です。

第四問は、大事な定理の証明です。定理は大事ですし、証明もきちんと追っていただけたら何よりなの
ですが、あの設問は難しかった(最初の2つの間違い探しになってしまっていました)と思います。

試験の結果にあまり捉われず、講義で強調した大事なところを押さえておいて下さいますように。

それでは、またお会いできるのを楽しみにしています。
浦井 憲 2020/08/13(Thu) 19:43 No.554
資料
後付で資料を添付

[添付]: 57766 bytes

Ken Urai 2024/10/22(Tue) 12:52 No.1912
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